Silent Foreign Perspective

結束バンド LIVE -恒星-

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Published at 2023-05-22 03:22:08

行ってきました。雑文。

経緯

今年のテーマが「やりたいこと全部やる」のためここ最近1人でクラブに行く活動をやってたのだけど、1人だとずっと周囲の人間にキレ続けて終わるだけなのでしばらくはいいかな……という気持ちになっていた。このライブの抽選申し込みがあったのはその直後あたりなのであまり気分がのらずスルーしたところ、終わってからTwitterのフォロワーが「申し込み忘れてた」と言っているのを発見。同行者いるなら楽しいかなと思い一般販売(先着)に挑戦したところなぜか2枚購入成功した。うちゅう戦争(ビール通販)の経験が活きたかなと思います。

ライブ感想

セットリストは適当に検索すれば出てくるのでそれを見てください。
席は2Fの最後列で、演奏の様子もモニターもきちんと見えて完璧だった。自分の視力が悪いことを除けば。
1曲目がひとりぼっち東京だったのは意外だった。個人的な希望はひみつ基地で、予想は忘れてやらないだった。これは同行者も同じ考え。結局あのイントロが一番テンション上がるんだよな。。。
3曲目ラブソングが歌えない、生で聴くと迫力が凄い。嫌だ嫌だ嫌だの気合の入り方。この曲もそうなんだけどとにかく長谷川育美さんの安定感がすごい。最後の挨拶の貫禄とか完全に大物歌手のそれだったし(そこ?)。
カラカラは入りのドラムが生で聴けて満足。歌はメロディ難しいよなこの曲……と思って微笑ましく聴いていました。フラットする場所とかすごいわかる……。途中のリムショットとかがなんかやけに高く聞こえたのでカウベルとか代用してたのかも? でもそのあとの曲はそんなことなかった気もするので謎。確認するためだけに配信買おうかな。。。
この辺りはカラカラ→MC→あのバンド→小さな海→なにが悪いの順で、山田三部作(自分だけ言ってる)が並んでたのでよかった。歌い手が変わるのでアルバム通りの順番は難しいんだろうなと思いつつ。
あのバンドはアニメ版のギターソロからの入りを再現。こういうところ本当にちゃんとやってくれるので信頼できる。
小さな海は一番好きな曲といっても過言ではなく、最初にオリジナルで例のクローズドロール?の入ったフレーズがソロで聴こえてきて顔覆うくらい喜んでしまった。周り見るとイントロで騒いでるのは自分だけだったので(というか曲全体でもあまり盛り上がってなかった? コールだけしたい連中の盛り上がりなんてどうでもいいのだが)曲があんまり知られてないのかなと思いちょっと悲しい。
なにが悪いの後に鈴代紗弓さんのMCだったのだけど、うすーくながーくスベりつづけててちょっと笑ってしまった。劇中で言われてる「つまらないMC」ってこんな感じなのかなとも(超失礼ですが悪い意味ではないです)。
新曲、青い春と西の空。初聴時の感想は「樋口愛っぽいZAQ」。サビの歌詞を毎回変えていくのが印象的だったんだけど歌詞がかなりストレートで、アニメの内容を踏まえた曲なのかなと思った。「埃」という単語の重複があったのも引っかかったし。曲はトライアングル?とかオルガンっぽい音がするのがこれまでからすると新鮮。オルガンはギターがエフェクターで出してる? 江の島の風景を映した映像も相まってめちゃくちゃ青春だった。最後の方に映った夕暮れの遠景の江の島が年始に行ったときに見たまんまで、そのときのことを思い返して泣いてしまった(1敗)。ライブ限定の映像っぽいのが残念。
ここで忘れてやらないが来てテンション最高潮。メンバー紹介から通常のギターソロに行く流れが天才。
星座になれたらはオチサビのプラネタリウムの演出で普通に泣きました(2敗)。間奏でリズムギター(喜多側)のソロが流れ出してみんな察してたのが面白かった。
フラッシュバッカーもラスサビ前の普段の倍くらい長い無音で泣きました(3敗)。照明が完全に消えてたおかげもあるけど、ここで静かにしてくれてたのだけは本当に周りの人間に感謝したい。
転がる岩はやるだろうなとは思っていたけど(青山さんの歌う曲がなくなるため)、まさか演奏するとは思わなかった。個人的には真っ暗な中であのギターのイントロが流れてくるのを期待したのだけどそらキャストに演奏させるなら明転してからさせないと駄目よね。
「まだやってない曲、ありますよねー?」と散々じらしてからの新曲、光の中へ。この流れは正直読めてたけどカタルシスがすごい。歌詞を聴いて「光の中へ」がライブステージに上がることを表しているのは早々にわかったのだけど、後ろのPVが今自分が見ているZepp羽田を映していることに気付いてびっくりした。生まれて初めてなのでわからないが、あれがいわゆる鳥肌が立つ感覚だったのかも。


記憶だと2:20あたりからの照明が映像と実際のステージでリンクしていた。そこからのロゴの位置も後ろの照明も一緒。自分は2:35の辺りで気付いた気がする(2Fから見える天井の鉄骨というかキャットウォークみたいなのがそれっぽいなと思ったら照明の色に気付いた。今見ると構造物の方はそんなに似てないかも)。ライブ終了と同時のPV公開は来れなかったファンへのサービスという側面ももちろんあるのだろうけど、運よく行けた自分としてはこの映像を見るたびに現地の風景を思い出すと思う。4敗。
最後は青春コンプレックス。正直あんまり語ることもないのだけどやはりライブでの勢いがすごいよかったです。

全体として、やはり人と行くと周囲の人間のすべての会話にイライラしなくてすむし楽しむためのイベントパワー(?)の閾値が下がるなと思いました。友達がたくさんほしいです

新曲 歌詞感想

帰宅してから配信されたのでそれを聴いて考えたこと。

光の中へ

正直この曲の歌詞についてはそんなに語ることがないかなというか、「無責任に現状を肯定する歌詞」に片足突っ込んでる感じはしている。ライブの高揚感で演者も客もみんなハッピー!的な。それ(高揚感)で後藤ひとりが光の中へ出ていくのは劇中通りではあるんだけど、やはりどんどん明るくなっていく歌詞を見ると少しさみしいものがある。次の曲もそれは同じ。ただ楽曲のコメントを見るとライブのために書き下ろされた曲という感じなので、やはりライブ中に聴いて感動して盛り上がって興奮して泣いたというのが全てなんだと思う。というかこの文章書くために何度も聴いてると普通に捻くれた自分がいなくなって良い曲だと思えてきたので今言ったことは忘れてください。

(私+期待-不安)×ギター=ロックだ
(私+君-時間)÷ギター=ライブだ

ここ全然わからなかったのだけど、サビの歌詞の感想を書いているうちになんとなくわかるというか、なんとなくでいいのではという気分になってきた。
+は単純にそのものがある状態でいいと思う。-はその逆……と行きたいんだけど、次に来る言葉のネガティブさ(日常用語的な意味)を表しているだけなのかな? 「-不安」が「不安な状態」か「不安がなくなった状態」のどちらになるかで変わってくる。この直後は「戦々恐々」なのでまだ前者のはず。そのあとぶっ壊すけど。
問題は乗算と除算で、どっちも×で意味が通じるような気がする。カッコは単純に、字面だけ読むと不安×ギターを減じているように見えてしまうからというだけなのかなと。ちょっとよくわかってないです。
書き下すと「期待も不安もあるけどギターを演奏します、ロックです」「君と一緒に時間をかけて練習しました、ライブをします」くらい? ただ2番はこれよりわからなくなる。。。

本番8小節前

最初聴きながらそうなのかなとは思っていたけど本当にサビの8小節前。

この時間 この場所 まるで絵空事

ライブ中は全然わからなかったけどここコード進行ふわっふわしてて好き。絵空事感が確かにある。時間と場所を共有するライブや瞬間の芸術である音楽を賛美する歌詞で、素面だったり他のなんか例えばアイドルグループ(あなたの興味がないものに置き換えて読んでください)が別の曲でこの内容を歌ってたら冷めると思うんだけど、この盛り上がりが歌詞に説得力を持たせている。
ここ書いてから曲コメント見たらまんま作曲作詞の方が「バンドは瞬間芸術」と書いていて驚いた。何か有名な出典があるのかな? 自分は高校の時の音楽の先生から聞きました。

日々の隙間に意味を落とせ

ここはバンドメンバー・お客さんどちらの話もしていて、日常の合間に音楽で活力を与えよう的な。こういう言い方すると陳腐に聞こえてしまうし馬鹿にしてるように見えるかもだけど、この曲はずっとこの話をしているし、翌日が月曜日という状態で聴くとより来るものはあります。

(私+世間-意思疎通)×理解=アウトだ
私+君はバイアス
音÷無限の輪=バンドだ

ここ本当にわからなくて笑っています。コメントや他の部分から無理やり読むと「私は世間から隔絶されている、理解を得られていない」「そんな中で私と君が出会ったことは奇跡で、このメンバーでやりとりして音が生まれるのは楽しい」くらいか。
バイアスはバンドとの頭韻の関係で来ていると思っていて、偏見ではなく偏り=世間一般から考えると変な2人、みたいな。無限の輪は音数の関係からこの言葉になっているだけでメビウスの輪かなと。音が2人(以上)の間を行き来して同じところに戻ってくるイメージを受けた。

毎分毎秒が奇跡 刹那の煌めき

オチサビからのこのフレーズの直前の音好きすぎる。コード進行凝ってる曲のことを全部田中秀和と呼んでしまうんだけど(インプリンティング)、ここはかなり田中秀和だと思う。Star!!とか思い出す。歌詞はもうずっと同じことを言っている。

理解不能であっても 世迷言であっても

この歌詞の数式部分に対する自己言及で、これを言いたくて意図的に複雑にしたのかな?と思った。

本当に好きな音

不安や劣等感、活動する上での様々な障害=理想が頓挫する実態を乗り越えた先に残るものがこれなんだと思う。前向きな「他に何も聴きたくない わたしの放つ音以外」というか。

束ねていこう 今を

要素拾いました!みたいなニオイがするとちょっと冷める。冷めるんだけど、本当にバンド/音楽/アニメ/コンテンツの寿命は一瞬なので、有り体な言葉で言うと「推せるうちに推せ」というか、そんな気持ちになりました。「月が綺麗で泣きそうになるのは いつの日にか別れが来るから」

青い春と西の空

家で曲を聴いて細かい部分の歌詞を見ていくとかなり星座になれたらと通ずるモチーフがあって、もしかしてと思って調べたら本当に樋口愛さんだった。ここまで作家性があるとすごい。

8月の青空

ここで明言されているしPVも江の島だったので劇中の場面を当てはめるのならそこにならざるを得ないし、実際サビまではずっと電車の中の景色を描写をしているのだけど、もっとスケールを広くして物語開始直後からの後藤ひとりの足跡と思っても面白いかなとか考えている。サビから江の島帰りの後藤ひとりの回想に入る、とか。

飛ぶ鳥の鳴き声聞こえてた

アイス取られそう。

宙舞う埃がキラキラ反射してる

忘れてやらないの窓際に積んだ埃との対比は興味深い。まだ舞ってる状態、青春真っただ中というか。実際このあとそうであると話しだすんだけど。もしかしてフラッシュバッカーの本歌取で実際に宙に舞っているのは心?

当たり前みたいな顔して
青い春を食らってみたんだ

そういう顔をしているということは本心ではそう思っていないということ。後藤ひとり。

伸びていく影を踏みしめて
早くうちに帰ろう
世界は狭い、なんて大きな嘘だ

夕暮れの場面なので合わないんだけど、1話2話のウキウキで帰る後藤の姿が浮かぶ歌詞。ただここまでを読む限りでは「試しに青春的な状況に飛び込んでみたけど怖かったので狭い世界=押し入れに帰ろう」みたいに思っててもおかしくないな……。

写真には写らない 音や声、匂いが
異常事態 ずっととれないんだ

4話の後藤ひとりは写真そのものに価値を感じて天井に敷き詰めていたので、そこからもう一歩思い出を作った段階の話か。ここは直接的にフラッシュバックの話をしている。

背伸びし続けてたから 痛くなったつま先
裸足で寝転べば 天井に浮かぶメロディ

詞ではメロディになっているけど、後藤ひとりの歌詞製作過程の話をしている? 気合入れて青春して、一歩離れるとその体験から湧き出てくるものがあるというか。

当たり前みたいな顔して
青い春を食らってしまったんだ

時系列的には「食らってしまった」の方が「食らってみたんだ」より先に来るイメージなんだけどどうなんだろう、2話より後で「しまった」みたいな場面あるかな……時間飛ぶけど文化祭ライブ参加決定したときとか?

薄くなる影を見つめてた
太陽が出ないとさ
誰だって色濃く生きれないよな

太陽=恒星、はたぶん偶然の一致なので今回のライブとは無関係かもだけど、輝き続ける星という伝えたい意味は同じだと思う。影が薄くなるので時間は夕暮れか、薄明か。影の話はDistortion!!、星座になれたらなどで頻出するモチーフ。
星座になれたらの星の対義語が太陽だとすると、視点が後藤っぽい以上相手が喜多っぽいというか、曲全体がアンサーソングに思えてくる。ただ太陽に特定の人を当てはめると自分以外の人にとっても太陽が特別であることになるので「誰だって」のあたりでよくわからなくなるかも。「パートナーを見つけて色濃く生きよう(太陽:生きる人=1:1でこのペアが複数ある)」だと謎の恋愛推奨ソングになってしまうし……。

当たり前みたいな顔して
青い春を食らってゆくんだ

星座になれたらと全く手法一緒なんですよね。これもアンサーソングっぽさを感じる要因。

甘くても痛くても
燃え尽きるその日まで

甘くてもは1番、痛くてもは2番。燃え尽きるのは星としての話とも取れるし、私の中にある青い炎のことかもしれない。

消えていく影に手を振れば
頭上に星のヒカリ

歌詞で時間経過を表すのも星座になれたらと同じ。星=後藤、太陽=喜多で当てはめをするとこの辺りで狂う(星が星を見上げている)のだけど、そういう視点の混乱も同じなので意図的に対義語を混ぜ込んだりしているのだと思う。

世界は広い、なんて信じてもいい?

世界は広い、ということ自体は1番で気付いているはずなので、この広い世界に自分もいていいのか、という意味じゃないのかなあと思う。この疑問文があまりに後藤ひとりでいいよなとなる。明るすぎないというか。

こうして新曲があるのは嬉しいです。一生アニメ12話の中だけで遊びすぎて原作読む覚悟が全然できてないですし2期来ても100%楽しめるか不安になってますが。。。